犬の多頭飼いのしつけ完全ガイド:円満な共同生活とトラブル回避術

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「もう一匹、犬を迎えたいな」「うちの子にもお友達がいればもっと楽しいかも」そう考えている飼い主さんは少なくないでしょう。多頭飼いは、犬同士が遊び、学び合う姿を見られる喜びや、飼い主自身の生活がより豊かになる魅力があります。

しかし、一方で多頭飼いには、新たな課題やしつけの難しさも伴います。先住犬と新入り犬の相性、食事や遊びを巡るケンカ、飼い主さんへの甘え方の変化、それぞれの犬へのしつけのバランスなど、円満な共同生活のためには、適切な準備と理解が不可欠です。

この記事では、これから多頭飼いを始める方、すでに多頭飼いをしていて悩みを抱えている方に向けて、犬の多頭飼いを成功させるためのしつけのポイントとトラブル回避術を、獣医監修なしで詳しく解説していきます。それぞれの犬が幸せに、そして飼い主さんも安心して暮らせるためのヒントが満載ですので、ぜひ最後までお読みください。

多頭飼いを始める前に:準備と心構え

多頭飼いを成功させるには、衝動的に新しい犬を迎えるのではなく、事前の準備と心構えが非常に重要です。

1. 家族全員の合意と責任分担

多頭飼いは、一匹飼いの単純な倍の労力ではありません。食事、散歩、遊び、トイレの世話、しつけ、病気や老犬介護など、時間的、経済的な負担が増大します。家族全員がこの点を理解し、協力体制を築けるかを確認しましょう。

2. 先住犬の性格と健康状態の確認

  • 性格: 先住犬が穏やかで社交的か、それとも警戒心が強く他の犬を苦手とするタイプかを見極めましょう。ストレスを感じやすい性格の場合、新入り犬の導入は慎重に行う必要があります。
  • 健康状態・年齢: 先住犬が高齢であったり、持病を抱えている場合、新入り犬がもたらす変化がストレスとなる可能性があります。獣医さんと相談することも検討しましょう。

3. 新入り犬の選び方

  • 年齢: 先住犬と新入り犬の年齢差は重要です。理想的には、ある程度の年齢差があった方が、お互いの役割が明確になりやすいと言われています。子犬は先住犬に良い刺激を与えることもありますが、エネルギーの差がストレスになることも。
  • 性別: 一般的には、異性同士の方が相性が良いと言われます。同性同士の場合、特にメス犬同士では縄張り意識が強く出ることがあり、注意が必要です。
  • 犬種・性格: 先住犬との相性を考慮し、穏やかな性格の子や、飼い主さんのライフスタイルに合った犬種を選びましょう。

4. 環境の整備

  • それぞれのスペース: それぞれの犬が安心して過ごせる、個別の寝床やケージを用意しましょう。一匹になれる「安全地帯」は非常に重要です。
  • 食事スペース: 食事の際のトラブルを避けるため、別々の場所や、間にパーテーションを設けて与える準備をしておきましょう。
  • おもちゃ・食器など: ケンカの原因にならないよう、食器やおもちゃは犬の頭数分よりも多めに用意し、共有の物としてではなく、個々に与える意識を持ちましょう。

新入り犬の導入と先住犬との対面

最初の対面と導入は、その後の関係性を左右する重要なステップです。慎重に進めましょう。
犬の多頭飼い

1. 最初は「間接的な対面」から

  • 匂いを嗅がせる: 新入り犬を家に迎える前に、新入り犬が使っていたタオルや毛布などを先住犬に嗅がせて、存在を認識させます。逆も同様に行い、お互いの匂いに慣れさせましょう。
  • 姿を徐々に見せる: いきなり同じ部屋で対面させるのではなく、まずはケージ越しやリード越しに姿を見せることから始め、お互いの存在に慣れさせます。

2. 初めての直接対面

安全な場所で、落ち着いた環境で行うことが重要です。

  • 場所の選択: 自宅の中ではなく、中立な場所(散歩コースの公園など、犬にとって新鮮で広い場所)を選びましょう。
  • リードを着用: 万が一のトラブルに備え、お互いの犬にリードを着用し、飼い主がすぐに介入できる状態にしておきましょう。
  • 落ち着いた態度: 飼い主が緊張していると犬にも伝わります。落ち着いて、普段通りの態度で臨みましょう。
  • ご褒美を活用: お互いが落ち着いて挨拶できたら、すぐに褒めてご褒美を与えましょう。良い印象を与えることが大切です。
  • 短い時間から: 最初は短い時間で切り上げ、無理をさせないことが肝心です。

3. 新入り犬の家への導入

  • 先住犬を優先: 先住犬のテリトリーに新入り犬が来るわけですから、先住犬を優先する態度を見せることが大切です。挨拶、食事、散歩など、あらゆる場面で先住犬を先に扱うようにしましょう。
  • 個別のスペースを確保: 新入り犬はケージやクレートに入れて、落ち着ける場所を提供します。先住犬も、新入り犬のケージを邪魔しないように教えましょう。
  • 監視と介入: 初期段階は特に、目を離さないようにし、少しでも不穏な空気が漂ったらすぐに介入し、距離を取らせることが大切です。

多頭飼いにおける日常のしつけとルール

円満な共同生活のために、明確なルールと一貫したしつけが不可欠です。

1. 食事のルール

  • 別々の場所で与える: 食事中のケンカは多頭飼いで最も多いトラブルの一つです。必ず別々の場所(別の部屋、ケージの中など)で、時間をずらして与えるようにしましょう。
  • 食器の共有禁止: 食器はそれぞれ専用のものを用意し、他の犬に触らせないようにします。
  • 食べ終わるまで監視: どちらかの犬が食べ終わった後、もう一方の犬の食事を邪魔しないように、飼い主が監視し、必要であれば介入しましょう。

2. 遊びのルール

  • おもちゃの独占を避ける: おもちゃは多めに用意し、特定の犬だけが独占しないように注意します。独占欲が強い犬には、個別の時間で遊んであげましょう。
  • 公平に遊ぶ時間を作る: それぞれの犬と個別で遊ぶ時間を設け、一対一のコミュニケーションを大切にしましょう。
  • 過度な興奮はクールダウン: 遊びがエスカレートしてケンカになりそうになったら、すぐに中断させてクールダウンさせましょう。

3. 散歩のルール

  • 個別散歩の検討: 最初は個別に散歩に行き、それぞれの犬と一対一で向き合う時間を作ることが大切です。
  • 複数頭散歩の場合: リードが絡まったり、どちらか一方が引っ張ったりしないよう、飼い主がしっかりとコントロールできる状況で散歩しましょう。必要であれば、フロントリードハーネスなどの補助具も検討してください。
  • 社会化の継続: 個別の散歩中に、それぞれが他の犬や人との適切な交流を学べる機会を作りましょう。

4. 飼い主のリーダーシップと公平性

  • リーダーは飼い主: 犬同士のケンカや序列争いに、飼い主が巻き込まれないように注意しましょう。あくまでリーダーは飼い主であり、ルールを決めるのは飼い主であることを明確にします。
  • ひいきをしない: どちらか一方の犬ばかりを可愛がったり、叱ったりしないように注意しましょう。犬は敏感に察知します。それぞれに平等な愛情と注意を払うことが大切です。
  • 個別の時間: それぞれの犬と一対一で向き合い、たっぷり甘えさせてあげる時間を作りましょう。これにより、飼い主への愛情を独占できないストレスを軽減できます。

多頭飼いでよくあるトラブルと対処法

多頭飼いにはつきもののトラブルも、適切な対処法を知っていれば最小限に抑えられます。

1. マウンティング

  • 原因: 遊びの一環、優位性を示す、ストレス発散など様々です。
  • 対処法: 過度なマウンティングは、そのままにしておくとケンカに発展したり、される側の犬にストレスを与えたりします。見つけたらすぐに「やめなさい」と指示してやめさせ、行動が止まったら落ち着かせて褒めましょう。

2. 食べ物の独占・フードガード

  • 原因: 食べ物への執着、過去の経験、不安など。
  • 対処法: 前述の通り、食事は必ず別々の場所で与え、食べ物を与える際は常に飼い主がコントロールすることを示しましょう。食べ物を取り上げても怒らないように、普段から「ちょうだい」などの練習をしておくことも有効です。

3. ケンカ・喧嘩の仲裁

  • 予防が第一: ケンカの兆候(唸り声、低い姿勢、ボディランゲージの変化)を早期に察知し、未然に防ぐことが最も重要です。
  • 仲裁の方法: ケンカが始まったら、大声を出したり、犬を叩いたりしてはいけません。冷静に、物理的なバリア(毛布をかける、間に物を置くなど)で隔てたり、水をかけるなどして気をそらし、一旦距離を取らせましょう。落ち着いたら、原因を探り、再発防止策を考えます。
  • 注意: 素手でケンカを止めようとすると、飼い主が怪我をするリスクがあります。慎重に対処しましょう。

4. 焼きもち・甘え方の変化

  • 原因: 飼い主の愛情を独占したいという気持ちから。
  • 対処法: 意識的にそれぞれの犬と一対一で過ごす時間を作り、スキンシップや遊びを通して愛情を伝えます。ひいきしていると犬に感じさせないよう、公平な態度を心がけましょう。

まとめ:多頭飼いは「幸せ」を倍増させる!

犬の多頭飼いは、確かに一匹飼いよりも手間や配慮が必要になります。しかし、その分、犬同士が寄り添い、遊び、お互いを支え合う姿は、飼い主にとって何物にも代えがたい喜びと感動を与えてくれるでしょう。

大切なのは、それぞれの犬の個性や気持ちを理解し、明確なルールと一貫した愛情を持って接することです。今回ご紹介した準備と心構え、しつけのポイント、トラブル対処法を実践することで、愛犬たちが互いに尊重し合い、飼い主さんと共に心穏やかな毎日を送るための基盤を築くことができます。

多頭飼いの道は、時に試行錯誤の連続かもしれませんが、その過程もまた、愛犬たちとの絆を深める貴重な経験となるはずです。焦らず、楽しみながら、愛犬たちとの円満な共同生活を築いていきましょう。きっと、あなたの家庭は「幸せ」が倍増する温かい場所に変わるはずです!